
3. 海岸拠点施設(レクリエーション)整備
3−1.マリ‐ナの整備
マリーナにおけるレクリエーション拠点施設として、クラブハウス(管理・運営施設)があげられる。自宅及び公共施設から徒歩、自転車、公共交通機関等を利用しマリーナに訪れた高齢者および障害者は、始めにクラブハウスにアクセスし、そこを拠点施設として桟橋やフィンガーピアなどを経てプレジャーボートに乗船する。現在、クラブハウス、桟橋、防波堤、護岸の整備においては、高齢者、障害者の利用を想定したマリーナの数は非常に少ないため高齢者、障害者に配慮したクラブハウスや桟橋、フィンガーピア等の整備を行うべきである。
1)クラブハウス(管理・運営施設)
これから新たに設計されるクラブハウスは高齢者・障害者に配慮した各種設計基準(建築学会指針、建設省や自治体の要項、その他の文献を参考として)にそって整備を行うことが望ましい。特に、自治体が建設する公共マリーナに関しては、積極的にバリアフリー・デザインを導入したユニバーサルデザインで整備して行くべきである。
《解説》
民間企業が経営する既設のマリーナ施設に対しては、全体を整備し直すことは非常に困難であるため、何らかの対処が必要である。例えば、クラブハウスに高齢者・障害者が訪れた際には、不都合を感じぬような介助サービスを行うことからでも始めることが望まれる。実際に高齢者、障害者にとって一人で行動しにくい場合でも、介助サービスを受けることで、多くの障害・障壁を回避するこができるであろう。
また、施設の個所に段差が生じていたり、トイレ・シャワー室等のバリアフリー化が遅れていても、施設外部に障害者用トイレあるいはシャワー設備を設置するなど、最小限の投資と少しの配慮によって高齢者・障害者にとっては行動がしやすくなり、マリーナのバリアフリー化が進行するであろう。さらに、アメニティ財団のインセンティブ補助が創設されているので、民間マリーナは積極的に申請することが望ましい。
前ページ 目次へ 次ページ
|

|